αではじめよう

奥行きを切り取る

ピントの範囲を決める

はじめて一眼レフカメラを手にした人が、コンパクトカメラと違うと感じることが多いのが、「画面の奥行き」です。人物や花の背景がフワッとボケているような写真に、惹かれたことはありませんか? この「ボケ」を生かした表現は、一眼レフカメラの得意技なのです。

コンパクトカメラと一眼レフカメラ

ベンチに座る少女・コンパクトカメラで撮影

コンパクトカメラで撮影

ベンチに座る少女・一眼レフカメラで撮影

一眼レフカメラで撮影

コンパクトカメラで撮影した左の写真と、一眼レフカメラで撮影した右の写真の違いはなんでしょうか。 一目瞭然ですね。右の写真では背景がふんわりボケて、手前の人物が浮き上がっているように感じられます。

右の写真では、前後のピントが合っている範囲を浅く(狭く)して、人物以外のところにはピントを合わせずに、故意に「ボカす」ようにしているのです。

一眼レフカメラでこの「ボケ」具合を調整するには、いくつかの方法がありますが、その一つが「絞り」です。

絞りで背景は変わる

絞り値はFで表わされます。 絞り値を変えると、取り込む光の量が変わります。光の量を調整する絞りには、もうひとつ、ピントを合わせたい部分以外のボケ具合を換えるという効果があります。絞り値を小さくすればピントの合う範囲が狭くなり、ボケが強くなります。

手前にある物もふんわりボカす

ボケを生かす表現方法

いかがでしょうか。ピントの合っていない部分が、画面全体にやわらかい印象をあたえ、主役が引き立ってくることを実感できましたか? 画面を構成する「ボケ」の部分は、写真の表現において大切な要素のひとつです。絞り値を換えて、ボケを楽しんでみましょう。被写体が明る過ぎて、希望する絞り値まで絞りを開けることができない時は、ISO感度を下げるか、NDフィルターを用いてみましょう。

COLUMN
ボケの大きさの計算

F2.8

F4

レンズ

F4の光束

F2.8の光束

受光素子

F2.8のボケ

F4のボケ

F2.8 F4

F2.8

F4

絞り値は、F1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16、22のように、一見、無秩序な数列に見えまが、実は、これは約1.4倍ずつ増えていくように秩序立っています。絞り値が1.4倍になれば、光を取り入れるレンズの面積は約1/2になり、光の量も半分になります。絞り2.8の場合のレンズは、絞り4に絞った場合の2倍の面積であり、2倍の光を取り入れていることになります。

絞り値が変わると、光の量だけではなく、ボケの強さが変わります。ボケの強さとは、つまりボケの「大きさ」のことで、これは絞り値に反比例して大きくなります。F2の場合のボケの面積は、F4の場合のボケの面積の2倍になるわけです。直径では約1.4倍となります。これを頭に入れておくと、どれくらいボカしたいか、つまりボケ像をどれくらい大きくしたいかを考えるとき、「絞りを何段変えればよいか」というように判断がつきやすくなります。

点光源がキレイに丸くボケるαレンズの円形絞り
Structure of round aperture

露出や被写界深度を調整する役割を果たす絞りは、5~10枚程度の羽根のような薄い板を組み合わせてつくられています。光を取り入れる面の形は、絞り開放時は円形ですが、絞れば多角形となり、ボケの像も多角形となります。これは、電灯のような点光源をボカしてみるとよく分かります。丸いボケを表現できるように工夫された絞りが、円形絞りです。絞りの羽の内側の形状が、開放から2段絞った状態でもきれいな円形になるように設計されています。これにより、丸くボケた点の像が多角形になってしまう不自然さがなくなります。

一般的な絞り Conventional aperture
円形絞り Round aperture