シャッターチャンス

写真を撮るための最適なタイミング、それは「いつ」でしょうか?

もちろん、撮りたい人が撮りたいときに、自由に撮ればいいのです。しかし、どんなときに撮るのであっても、「素敵な瞬間」を写真に残したい、「後悔しない写真を撮りたい」という思いは、誰でも同じではないでしょうか。

いい写真が撮れる瞬間は「シャッターチャンス」と呼ばれます。つまり、シャッターを切るべき「とき」です。「素敵な瞬間」を写真におさめるために、「いつ」シャッターを切ればよいかということについて、ちょっと考えてみましょう。

「場面(=どんな場所で撮るか?)」と同じように、シャッターチャンス(=どんな瞬間を切り取るか?)は無限に存在していることに気づくはずです。

「時間」を自由に切り取ってみましょう。

どんなときに撮りますか?

Scenery 1 - Sky Scenery 2 - Grassy plain

旅行のアルバムを見返してみたら、景色のよい場所を背景に並んでにっこり笑っている写真や、絵はがきのような風景写真ばかり・・・ということはありませんか? もっとほかに、素敵な瞬間があったはずなのに・・・

旅先の写真なら、名所旧跡を背景に記念撮影するだけでなく、たとえば目的地に着いてホッとひと息ついたとき。街角で乗り物を待っているとき。食事中といった時間にこそ、心に残る写真が撮れるかも知れません。スポーツならば、競技中だけでなく、競技後のリラックスした時間に注目してみるのもいいですね。「撮影するとき」を、もっと柔軟に、幅広くとらえてみてはいかがでしょうか。

「いい瞬間は無限にある」 「いつもと違うときに撮ってみよう」・・・

そう考えるだけで、きっと写真はどんどん楽しくなってきます。

タイミングを自由に選ぶ

一般によく見かける人物の写真は、次のようなタイミングに撮られたものが多いはずです。

  • 全員がカメラを見ている
  • まばたきしていない
  • にこやかに笑っている
  • 太陽が明るく出ている

いつもこれでは、どれも同じような写真になってしまいます。

素敵な写真を生み出すタイミングは、もっといろいろあるはずです。人が何かに夢中になってカメラの存在を忘れているとき。「さあ、撮るよ」と撮った後にすぐもう一枚。表情やしぐさに注目してみてください。撮影する人が「面白い」と感じたときはいつでも、いい写真のタイミングなのです。

風景を撮るときも、絵はがきのような晴天のときだけがベストとは限りません。 自分なりのタイミングをつかまえてみましょう。太陽はどこにあって、影はどう出ていますか? 雲はどう流れていますか? 風はどうでしょう。撮影するタイミングを気にかけると、写真の楽しみはずっと深くなるはずです。

狙った瞬間に撮る

撮りたいタイミングを発見したら、ここだ! と自分が思える一瞬をとらえたいものです。

撮りたい瞬間を撮影するには、少しだけ練習が必要です。写真の撮影では「撮ろう」と思ってシャッターボタンを押してから画像の記録が始まるまでに、ごくわずかな時間のズレがあるからです。これはシャッタータイムラグ(あるいはレリーズタイムラグ)と呼ばれるものです。どのようなカメラを使っても、この時間のズレは存在しますが、カメラに慣れれば、すぐにこのタイムラグは克服できます。スポーツの写真を撮るのであれば、テニスのサーブや、ゴルフのショットなど、動きの流れがある程度まで予測できる被写体で、何度か練習するといいかも知れませんね。

サッカーをする少年 1
サッカーをする少年 2
サッカーをする少年 3
ボールを蹴った瞬間にシャッターボタンを押したのではこのようになってしまいます。
ボールを蹴るまでの動きを予測して、早めにシャッターを切れば・・・
ピッタリの瞬間に撮ることができます。

撮影するタイミングを自由に考えて、思い描いたイメージ通りの瞬間に撮ること。それは写真を撮る大きな喜びのひとつです。

COLUMN
シャッタータイムラグ

シャッタータイムラグは、どのようなカメラにも必ず存在します。

一眼レフカメラの場合、ファインダーに像を投影するために使っていたミラーを上にはね上げ(ミラーアップ)、そのバウンド(ミラーバウンド)が収まるまで待ってからシャッターを開いて撮像素子に光を当てる必要があるため、どうしてもこれらに時間を要することになります。

デジタル一眼レフカメラの時代になっても、ミラーの基本的な働きは同じなので、ここに一定の時間がかかります。さらに撮像素子に記録する段階でも若干の時間が必要です。初期のデジタル一眼レフカメラではフィルム時代よりもタイムラグが長いことが多かったようです。

しかし、高速で記録できる撮像素子の開発や、シャッターそのものの性能の向上に加え、その前段階のAFでピントを合わせる時間も大幅に短縮され、現在ではむしろ、フィルムカメラの時代よりも大幅にシャッタータイムラグが短縮されています。特にAFの進歩により、一般的なコンパクトカメラよりもはるかにストレスなく、撮影が楽しめるようになりました。

図 1

絞り起動
絞りバウンド待ち
絞り補正駆動

ミラーアップ
ミラー安定時間待ち

AF予測制御駆動

シャッター開閉

図 2
*Arrowシャッタータイムラグ以外にかかる時間
1. 人体の反応 人体の反応
脳による撮影の決断
0.3 - 0.8 秒
指がシャッターボタンを半押し
 
2. オートフォーカス
(ピント合わせに要する時間)
レンズ
ピント合わせ開始
0.2 - 0.3 秒
ピント合わせ完了
 
3. シャッタータイムラグ
(レリーズタイムラグ)
カメラ内部
シャッターボタン押し込み
 
露光開始
 
α100 約0.9秒
α200 約0.4秒
α300
α350
約0.4秒 (OVF時)
約0.8秒(LV時)
α700
α900
約0.2秒
α230 約0.3秒
α330
α380
約0.3秒 (OVF時)
約0.7秒(LV時)

シャッターを押し込んでから、カメラ内部ではさまざまなことが行われています(図1)。シャッタータイムラグを短縮するため、これらの動作ができる限り短時間に完了するよう、技術開発が続けられています。ただ、「撮ろう」と決断してから実際に画像が記録されるまでには、シャッタータイムラグ以外にも時間がかかります。最も大きな部分を占めるのは、人間の反応速度。つまり脳が「撮ろう」と思ってから実際にシャッターを押すまでの時間です。これだけは、今も昔も変えることはできません(図2)。

”α”では、こうした時間をできるだけ短縮する工夫も、さまざまに凝らされています。そのひとつが「アイスタートAF」。ファインダーの真下にあるアイセンサーが自動的に検知してピント合わせを始めるので、シャッターボタンに手をかける前にAFが行われます。いつでもすぐにピントがあっているようにすることで、AFにかかる時間をなくすことが目的です。

ファインダー

“α”のAFは、「予測制御」によりピント合せを正確に、短時間で行うことができます。しかし、タイムラグをもっと少なくするためには、前もって撮影位置にマニュアルフォーカスでピントを固定して撮影する撮影テクニックがあります。これにより、タイムラグのうちAFの時間が削減されるので効果的です。充分に明るい場所ならば、マニュアルフォーカスに設定して絞りを絞り込み、被写体がどの位置に来てもピントが合いやすい状態(パンフォーカス)にしておくとさらに良いでしょう。